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モルドバ共和国での日本書道についてのプレゼンテーション

 

日時:2012526

 場所:モルドバ日本交流財団 

友人の結婚式で5月25日夕刻に図らずも、モルドバ日本交流財団の理事長バァレリウ・ビンザルー氏との出会いから、同財団経営の日本語学校で書道学習の熱が高い、とお聞きした。

小生のルーマニア駐在6年余の書道指導の経験をお話ししたところ、モルドバ日本友好財団での「書道デモンストレーション」の話がまとまり、早速翌5月26日に同行の日本語クラス上級者を対象に表題のプレゼンテーションを行うこととなりました。

話の概要とデモについて

1 書道は、日本古来の伝統芸術の一つである。

・  黒の墨字と余白の白のバランス、均衡を通して一つの(び)を作り出す物で、

・  表現手段である文字は、太い・細い、濃い・薄い、潤筆・渇筆、大きい・小さい、強い・弱い、長い・短い、動・静、

などの変化と奔放さ、端正と調和、と言ったいろいろな美しさを表現していきます。

・  先ず正しい手順で文字を書く基本を学び、中国の古典や日本の平安時代に代表される書聖たちの技法を手本に練習することを臨書(りんしょ)と言いますが、この臨書が、技法の習得には正道だと言われています。

2 日本の三筆

・  日本の長い書道の歴史の中で、最高峰といつも讃仰されるのは、

・  平安時代(9c~11c)の僧 空海(弘法大師)、EQ \* jc2 \* "Font:MS 明朝" \* hps10 \o\ad(\s\up 9(さが),嵯峨)天皇、橘逸勢(たちばなのはやなり)の3人で、その格調の高さ、高雅さが後世の手本になってきたようです。

3 古代中国から殷、秦、戦国、東晋,漢、隋、唐、など日本は中国の偉大な文字の文化を学んで、平安朝にいたって、日本独自の文字文化を確立しました。王朝文化と相まって、ひらがな、カタカナ文字を生み出し、日本三筆、三蹟へと流れ、日本書道の流れが後代に続いていきます。

4 書体

古い順から、甲骨・金文・篆書・隷書・行書・草書・楷書 などの書体があり、いろいろな書体を学ぶことで、いろいろな書体とそれを書く技法を学んでいくことで、書の奥深さを知り、それぞれの古典と対話し、書のつやと幅を見つけることが出来ます。現代に生きる私たちが、九世紀の偉大な僧、空海の息吹を感じたり、彼の筆の背後にある平安文化や生活の一部までも私たちの心にしみいってきます。あるいは、御簾(みす)も向うで微笑まれる英邁(えいまい)の誉れ高い嵯峨天皇の御様子が見えるような気がします。これこそ、書の楽しみでしょう。

5 実技

学生さんたちに、私の周りに集まっていただき、筆の持ち方、漢字の跳ねや払いの技法。タップリ墨をつけた潤筆、少ない墨で勢いよく書く時に生まれる渇筆。太く細く、早く、ゆっくり、などについてお見せし、漢和辞典で文字の意味を調べながら、自分の名前を漢字で表現するのもおもしろいこと、などお話ししました。

    わずかに、一時間程度の話でしたので、十分なことはお話しできませんでしたが、皆さん、実に興味深げに聞いて下さり、感謝しています。

    いつか、半切や半紙で、ご一緒に書道を学び合うことが出来ますよう、願っております。

若いモルドバ共和国の英才たちにふれあう機会を与えていただいたバァレリウ・ビンダルー理事長先生に心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

2012/05/26

 ルーマニア・ブラショフ武蔵野センター

元所長 大久保 昭男

テ:180-0023 東京都武蔵野市境南町2-12-5-404

 

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